介護を始める前に
知っておきたい親のこと

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お母さんの下着をご存知ですか?息子さんは知らないことが多く、娘さんもしばらく離れて暮らしていると意外と知らないようです。加齢によって動かしにくい身体だからこそ、使い慣れたものを安心して使いたいはずです。いい歳をした子供に対して「こんなパンツを買ってきて」とは頼みにくいものですが、家族が事前に分かっていればお買い物を自然にしてあげられます。また、今の嗜好や生活習慣も知っておきたいことです。介護保険サービスを受けるため作成するケアプランは、本人(親)の希望や症状はもちろん、嗜好や生活習慣も考慮します。本人(親)の意思を確認できない状況では家族が代弁しなくてはなりません。介護の前に色々な情報を持っておくことが、いざという時に慌てずに済むコツです。

お金のこと

親子で話題にしにくいのがお金の話。避けて通れないのもお金の問題。 「どうなってるの?」と質問してもすんなり答えてもらえないこともありますが、少しずつ機会を作って聞いておきましょう。

例えば、「突然入院したら支払いをどうすればよいのか?」など具体的な話をきっかけにしてはどうでしょうか。家族が立て替える場合もありますが、その後に継続して介護保険サービスを受けることを考慮すると初めから本人の口座に絞っておくのがいいでしょう。特に兄弟姉妹が居る場合ははっきりさせておくほうが無難です。他にも知っておきたいことを挙げておきます。

普段の生活で使うお金

  • 介護や病院に使ってよい現金と銀行口座。
  • 月々の支払は何があるか。特に自動引き落としになっていないものを確認しておく。
  • 支払いをやめられるものはあるか。例えばスポーツクラブや健康サプリメントの契約など。入院や要介護になったら不要なものがないか確認しておく。

先々必要になる情報

  • 年金情報。金額や入金先、年金の種類。
  • 保険関係。医療保険や生命保険、最近は民間の介護保険もありますので確認しておきましょう。

健康について

以下の情報については知っておくとよいでしょう。


  • 過去の疾病や手術歴。
  • 現在の疾病や治療について。服用中の薬(おくすり手帳の有無)。
  • かかりつけ医の連絡先。
  • 薬や食べ物のアレルギー。

かかりつけ医の診断書は要介護度の認定に必要ですし、その後の介護にも欠かせません。多くの医師(病院)にかかっている場合は、どの方がかかりつけ医になってもらえるのかを相談しておきましょう。特に決まっていない場合は、本人(親)の住居の近くに往診(訪問診療)をしてくれる医師を探しておくと後々助かります。

趣味や習慣

本人(親)の趣味やこだわりをケアマネージャーに伝えておけば、デイサービスなどを選択するときに役立ててくれます。デイサービスのスタッフも本人(親)の気持ちを汲んで接してくれます。


  • 趣味や興味を持てるものがあるか。
  • 本人がこだわる習慣はあるか。花を飾る、お散歩、入浴など。
  • 嫌いなことはなにか。触れてはいけない話題はああるか。

食べることについて

アレルギーによる禁忌食品だけは必ず確認しておいてください。宅配弁当を頼むとき、デイサービスで昼食を食べる時など伝える必要があります。好き嫌いは加齢や症状で変化しますので「母はこれが好き」「父はこれが嫌い」と決めつけてしまうのは良くありません。


  • 好きなもの。食材や料理。味付けの好み。
  • 嫌いなもの。
  • アレルギーなどで食べられないもの。
  • 症状によって食べずらいもの。

着るものについて

食料や日用品は買えても、衣服や靴を近所で買えない場合があります。好きで長く着ているのではなく、買え替えていないから着ているケースも多いようです。


  • 今どんなものを着ているか。
  • 服のサイズ。上下でサイズが違う場合もあります。
  • 靴のサイズ。
  • 好きな色やデザイン。嫌いなものも。

親戚や交友関係について

介護の段階によっても違いますが、病気が進行すると家で会えなくなる場合もありますし、認知症が進行すると会ってもわからなくなることもあります。本人(親)が会えば元気になるような友人が居れば連絡してみてはどうでしょうか。


  • 誰にどのタイミングで連絡すればいいのか。
  • 本人が会いたい人、会いたくない人。

その他生活に関する情報

本人(親)が出来ないときに誰が代行するのかも含めて確認しておきましょう。


  • 鍵や貴重品の保管場所。
  • ご近所との付き合い方。回覧板や町会費はどうしているのか。
  • ゴミの回収日や分別に。
  • 祖父母や親戚の法事や墓参りのこと。