高齢者の心身の変化

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高齢になると心身に色々な変化が起こります。加齢により身体機能が低下して病気になりやすく、運動能力の低下でケガをしやすい場面が増えます。また、気弱になったり無気力になったり、頑固になったり怒りっぽくなったりもします。ここでは高齢者によく見られる変化の特徴を取り上げます。
疾病や薬の影響の場合もありますので、かかりつけ医に相談しながら家族がどう接するのがよいか考えてください。

高齢者の体の変化

高齢者特有の変化は加齢と共に起こるものです。本人の自覚だけでなく、家族が気付くこともたくさんありますので、今は生活に支障がなくてもこれらの変化が増えたら介護を考え始める時期かもしれません。病気やケガが原因の場合は医師の指示に基づいてリハビリなどの対応が必要です。

身体や見た目の変化

身長が低くなる。姿勢の変化(腰が曲がる、背中が丸くなる)。体重減少。皮膚の変化(乾燥、シワ、色素斑)。白髪や薄毛。歯や歯茎の衰え。

運動機能の低下

動作が緩慢になる。筋力や持久力の低下。反射や反応が遅くなる。バランス能力低下。物がうまくつかめない。布巾を絞れない。重いものが持てない。歩幅が狭くなる。転びやすくなる。疲れやすくなる。

身体機能(生理機能)の低下

食べにくくなる(入れ歯、唾液減少の影響など)。むせやすくなる(誤嚥)。食欲不振や低栄養。息苦しくなる。骨折しやすくなる。頻尿、失禁、排尿困難など。立ちくらみや貧血。感染しやすくなる。記憶力の低下。褥瘡(床ずれ)ができる。
内蔵の動きや能力が全体的に低下(血液検査などで判明することも)。

五感の低下

視力の低下や視野が狭くなる。聴力の低下、音量だけでなく言葉を聞き分けにくい。痛みや 温度の変化を感じにくい。匂いに鈍感になる。味付けの濃いものを欲しがる。

高齢者の心の変化

身体だけでなく環境の変化にも大きく影響されます。元気なときは容易に出来たことが出来なくなるとそれだけでも不安な気持ちを抱えるようになります。退職して人付き合いが著しく減ったり、配偶者と死別したりすると孤独感や不安感が一気に溢れることがあります。

精神的な変化

感情コントロールが難しくなる。怒りや不満、不安の増大。抑うつ状態になる。昔を懐かしむ。変化を嫌う。孤立、孤独感の増加。依存しやすくなる。無気力、無関心。猜疑心が強くなる。頑なになる。

気持ちが不安定になるきっかけは様々です。身体が思うように動かなくても自分と向き合える方もいれば、老いを感じて寂しさや不安感が増加する方もいます。経済力の低下、子供と離れたり同居したりすることもきっかけの一つになります。社会的役割や家庭内での立場の変化が起こった時は注意して観察しましょう。

高齢者に多い疾病

糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、変形性膝関節症、骨粗しょう症、関節リウマチ、白内障、パーキンソン病、認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、脳卒中・脳梗塞、心疾患、気管支炎など。
多くの方が複数の疾病を抱えるようになります。症状や身体機能によっては服薬が難しいこともありますし、治療の優先順位を選択する場面が訪れるかもしれません。かかりつけ医を決め、専門医からの指示や服用中の薬を伝えることが大切です。