介護用語集

介護をする人のお助けサイトさくらケア > 介護用語集

介護をしていると聞きなれない言葉をよく耳にします。わかると納得、知ると便利な介護用語をご紹介します。

ア行

アウトリーチ

ソーシャルワーカーから本人に働きかけ、福祉サービスの利用を呼びかけることです。支援が必要な状態にもかかわらず、社会とのかかわりを拒み支援を受け入れない人が対象になります。

圧迫骨折

縦方向に外力が強く働いて起こる骨折のことです。尻もちをついたり転倒が原因になることが多いようです。

アルツハイマー型認知症

認知症のなかで最も多いタイプです。脳の萎縮で発症します。概ね進行はゆっくりです。中核症状(記憶障害や見当識障害など)のほか様々な周辺症状(徘徊や物とられ妄想など)が見られます。

移乗

ベッドから車いすへ、車いすから便座や浴槽へ乗り移る動作のことです。介護の場面で「移乗介助」「移乗動作」などと使われます。

異食(いしょく)

食べ物でないものを口に入れ、食べてしまうこと。

移送サービス

移動に手助けが必要な方を、病院や福祉施設に移送するサービスです。介護保険サービスではありませんが、自治体によっては給付してくれる場合があります。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

膀胱にたまった尿があふれ出すように少しずつ漏れてしまう失禁です。自分では排尿しにくく、前立腺肥大症が原因で起こることもあります。

イレウス(腸閉塞)

腸管が食物やガスなどで塞がり、肛門まで通らなくなる状態です。腸閉塞ともいい、原因は様々です。

胃ろう(胃瘻)

口から食事が取れない場合や、嚥下障害の場合に用いられる処置です。腹部から胃にかけて穴をあけ、チューブを通し、食物や水分を直接注入できるようにします。

インフォーマルサービス

家族、知人や近隣の方、民間やボランティアなどがする援助や福祉サービスを指します。インフォーマルケアも同様の意味です。公的機関や介護保険サービスなどを「フォーマルサービス」といいます。

うつ病

高齢者のうつ病は認知症との区別が難しいことがあります。気分や集中力の低下、食欲不振、不眠など様々な症状があります。介護をしている家族がうつ病になることも多いです(介護うつと呼ばれます)。

上乗せサービス

市区町村の独自の判断で行われるものです。支給限度額を超えても介護保険サービスを利用できるように時間や回数を「上乗せ」してくれます。介護保険サービス以外に適用されることもあります。

栄養改善

低栄養などを改善するために、管理栄養士などが食事についての指導を行います。介護予防通所介護のサービスの一つです。

壊疽(えそ)

血行障害などにより体組織が壊死し、黒色に変色した状態です。

嚥下(えんげ)

飲食物を飲み込むことです。食べ物を咀嚼して(噛んで食塊にして)咽頭に届くと、反射運動が起きて食道へ送り込まれます。これを嚥下反射といいます。介護の場面では嚥下困難や嚥下障害など使われる場面が多いです。うまく飲み込めない、むせる等の症状を「嚥下困難」といい、疾病や老化などの影響で飲み込みが出来なくなることを「嚥下障害」といいます。

エンゼルケア(エンゼルメイクともいう)

亡くなった方に化粧を施したり(死化粧)、体の処置をして姿を整えることです。映画「おくりびと」で話題になって知る人が多くなったようです。

エンディングノート

終活という言葉を聞く機会が増えました。エンディングノートもその一つです。自分の最期の時のために、財産のこと、葬儀の方法や連絡先、家族への思いや願いなどを書き留めるノートです。遺言書と異なり制約はありませんが、ご本人の希望がわかり、残された家族が助かることも多いようです。

円背(エンパイ)

背骨が変形し、背中が丸く湾曲してしまう病気の総称です。脊柱後湾症ともいい、高齢者のときは「老人性後湾症」ともいいます。老化による骨の変形や骨粗しょう症などが原因になるようです。

お薬手帳

服用薬を記載しておくものです。どの薬をどんな頻度で服用しているのかがわかるので、急病や入院時だけでなく、初めてかかる医療機関でも滞りなく対応してもらえます。中には、併せないほうがよい薬がありますので診察時や旅行時は必ず携行してほしいものです。

音楽療法

音楽を聴いたり歌ったり、楽器を演奏したりすることで、心身のリラックスや回復、維持を目指す療法です。(私は認知症患者への音楽療法を見学した際、話せない方が歌い出す場面に遭遇しました。社会的に広く知られ、音楽療法が広まることを願っています。)

カ行

臥位(がい)

寝ている姿勢、状態を示す言葉です。介護現場では体位をこのように表現します。

介護移住

介護サービスは地域差ががあります。そのため、各人に必要なサービスを求めて転居することを示す言葉です。

介護休業給付制度

家族を介護するために介護休業を取りやすく、復帰しやすくするための援助や支援の制度です。対象者は一般被保険者、介護休業を取得すると、この給付金が支給されます。

介護休業制度

家族を介護するために一定期間仕事を休める制度です。通算で93日間介護休暇を取得できます。要介護状態にある、常時介護が必要などの制限がありますので確認してください。要介護認定の申請後、結果が出るまでに1~2カ月かかることがあります。介護休業制度を利用すれば介護保険サービスを受けるまでの介護を担えます。

介護サービス

介護保険で利用できるサービスを指しています。要介護の人には「介護給付」、要支援の人には「予防給付」として支援されます。「居宅介護サービス」はいわゆる在宅介護で利用できる訪問介護や通所介護などです。「施設サービス」は介護保険施設へ入所してサービスを受けます。そのほか市区町村ごとの「地域密着サービス」もあります。

介護タクシー

要介護の人を病院や福祉施設へ送迎する特別なタクシーです。運転は介護サービスの研修を受けた者が行い、車への移乗介助や目的地での移動見守りなどもしてもらえます。介護タクシーを利用できるのは、要介護1以上でバスや電車に一人で乗れない人のみです。同時にケアプランに介護タクシーの利用が含まれていなければなりません。

介護付有料老人ホーム

民間のサービス施設で、介護が必要な方向けの有料老人ホームです。食事や入浴のほか、介護サービスが付いています。入居時に要介護度をチェックする施設が多いようです。

介護福祉士(ケアワーカー)

国家資格。日常生活に支障がある人やその家族に対して、介護に関する指導を行います。また、施設や居宅介護(通所介護や訪問介護)では入浴、排泄などの必要な介護を行います。

介護用ベッド

要介護者が過ごしやすい工夫がされたベッドです。介護する人にとっては介護しやすい機能が施されています。ギャッジアップ(上体を持ち上げる、脚を持ち上げる)、ベッドの高さ調節、サイドレールやテーブルの取り付けなどがあります。

介護保険(介護保険制度)

社会全体で要介護の高齢者と家族を支える社会保険です。40歳以上の全員が被保険者として保険料を納めます。65歳以上が第1号被保険者です。常に介護が必要な「要介護」に認定された人、または日常生活の支援が必要で改善が期待される「要支援」に認定された人が介護サービスを利用できるようになります。その利用料は原則1割負担です。

介護保険施設

都道府県知事が指定した施設、要介護認定を受けた人が利用できます。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設があります。介護サービスの利用は1割負担ですが、居住費や食費は自己負担です。在宅介護との公平性を考慮したためです。

片麻痺(かたまひ、へんまひ)

半身不随の状態を指し、半身麻痺とも言います。介護現場では体の右または左の片側が麻痺しているときに使われることが多いようです。

加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)

加齢によって起こる目の病気です。網膜にある「黄斑」に異常が起こります。

患側(かんがわ)

片麻痺の不自由な側(半身)を指します。横になる時に「患側を上にして」などと使います。

機械浴

機械浴槽を使って入浴することです。座った状態を維持できない方などを対象に行われ、身体の症状や程度に合わせて幾つもの種類があります。介護施設などに設置されています。

起居動作(ききょどうさ)

介護の現場では「起き上がり」「立ち上がり」「寝返り」などの姿勢を変える動作を指します。

刻み食(きざみしょく)

咀嚼力(噛む力)が低下した人のために、食べ物を小さく刻んだ食事のことです。症状によっては誤嚥のリスクが高まりますので、高齢者なら刻めばよい、というわけではありません。

機能性尿失禁

排尿機能は正常ですが、トイレまで行けない、間に合わないなどが理由で尿が漏れる症状です。

仰臥位(ぎょうがい)

あおむけ(上を向いて)で寝ている状態を示す言葉です。介護現場では体位をこのように表現します。横向きは側臥位(そくがい)といいます。

居宅介護支援事業者

ケアマネジャー(介護支援専門員)が所属している事業者です。要介護者、要支援者を支えるために、要介護認定の申請代行、ケアプラン作成(居宅介護サービス計画)、介護サービス事業者への連絡や調整などを行っています。

居宅介護住宅改修費

介護に必要な住宅改修費に対する保険給付です。手すりの取り付けや段差の解消など定められた種類の範囲で、在宅の要介護者が対象です。支払い方法はほかの介護サービスと異なり償還払いです。改修費全額を利用者が立て替え、費用の9割を後日償還してもらいます(利用者1割負担)。利用回数や上限額にも制限があります。

居宅介護福祉用具購入費

入浴や排せつに使用する福祉用具や定められた福祉用具(特定福祉用具)の購入費に対する保険給付です。在宅の要介護者が対象。支払い方法は償還払いです。購入費全額を利用者が立て替え、費用の9割を後日償還してもらいます(利用者1割負担)。対象にならない用具もあります。

居宅サービス(在宅サービス)

自宅で過ごしながら利用できる介護保険サービスの総称です。訪問介護、訪問看護、訪問入浴、デイサービス(通所介護)やショートステイ(短期入所)、福祉用具のレンタルなどがあります。

緊急通報システム

市区町村が独自のサービスとして行います(介護保険適用外)。緊急時に救急車や契約警備会社に通報するシステムです。高齢者の自宅などに通報装置を備えておきます。

グループケア

各人の機能や症状によってグループ分けし、それぞれに合ったケアプランに沿ってケアすることです。施設などで行われます。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

地域密着型サービスの1つで、軽度~中度認知症の要介護者が対象です。介護スタッフと共に10人未満の少人数で共同生活を行いながら、食事、入浴、排泄などの日常生活の支援や機能訓練を受けます。認知症の緩和と、住み慣れた地域で生活できるように支援することを目的としています。

ケアハウス(介護利用型軽費老人ホームの項参照)

食事や入浴等の世話を受けながら、自立した生活を続けることができるように作られた軽費老人ホームのひとつです。介護が必要になると、在宅と同様に、外部の介護保険サービスを利用します。

ケアプラン(介護サービス計画)

要介護、要支援に認定された人に必要な介護サービス(介護予防サービス)の利用計画です。本人や家族の要望、心身の状況、生活環境などを考慮して、どんなサービスをどのくらい利用したらよいかを計画します。通常ケアマネージャーがプランを作成してくれます。「居宅介護サービス計画」「施設介護サービス計画」もケアプランの1つです。1カ月ごとに見直し、その時の状態に合わせたプランを作成、変更します。

ケアホーム(共同生活介護)

入浴や排泄などの生活を介護してもらいながら生活できる施設です。就労継続支援として就労先との連絡や就労相談なども受けられます。

ケアマネジメント(居宅介護支援)

要介護、要支援に認定されて、在宅で介護を必要としている人を支援することです。要介護認定の申請代行、ケアプランの作成、介護サービス事業者との連絡や調整などを行います。

ケアマネージャー

介護支援専門員といいます。要介護、要支援に認定された人の相談に応じるほか、代理人として関係各所との連絡調整をするなど在宅介護に欠かせないキーパーソンです。サービス利用者や家族の希望や状況を把握し、適切なケアプランを作成し、サービス事業者や医師などと連絡調整までしてくれます。基本的に担当制で長くお付き合いすることになります。良いケアマネージャーとの出会いによって、安心した介護生活を送れると私は思っています。

形態食

咀嚼力(噛む力)や嚥下能力(飲み込む力)が低下した人のために食事形態を工夫したものです。刻んだり、柔らかくしたり、食べやすい食材を利用したりするだけでなく、ソフト食やミキサー食などもあります。市販の介護用食品では「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」などと区分されています(ユニバーサルデザインフード)。

軽費老人ホーム

低額な費用で利用できる施設です。身寄りがない、経済的な理由などで自宅での生活が困難な人が対象です。介護度の認定は必要ありません。食事付のA型、自炊前提のB型のほか、介護が必要な状態になると外部の介護サービスを利用できる介護利用型(ケアハウス)があります。最近はケアハウスに統一されてきた感があります。

傾眠(けいみん)

ウトウトしている状態です。睡眠状態になりやすい状態で、声掛けや軽い刺激で目を覚まします。高齢者に多く見られます。

幻覚

実際には存在しない物が見える症状です。認知症のうち、レビー小体型認知症では初期から幻覚が現れます。

健側(けんがわ)

片麻痺の麻痺がない側(半身)を指します。麻痺がある側を「患側(かんがわ)」と言います。

言語聴覚士(ST)

言語や聴覚に支障のある人や嚥下に問題のある人を対象として、訓練や指導を行う専門職です。国家資格。

見当識、見当識障害

日付や時間、現在の居場所などの認識能力を「見当識」といいます。きょうは何月何日?ここはどこ?などがわからなくなることを「見当識障害」と言い、認知症の症状の1つです。家族の顔がわからなくなるのもこの症状です。

更衣

着替えや衣類を交換することです。聞き取り調査で「更衣はどうですか?」と聞かれて困ったことがあります。高齢者にとっては「更衣」が運動能力の目安にもなり、リハビリや運動にもなります。

高額介護サービス費

介護サービスをの負担額が上限を超えた場合に市区町村から払い戻される制度です。支給される額は世帯の所得によって異なります。上限を超えた分は利用者が立て替え、のちに支払われる償還払い制度です。要支援の場合は「高額介護予防サービス費」といいます。

高額療養費支給制度

病気やけが等で病院にかかり医療費の自己負担額が一定の限度額を超えた時に、超過分が払い戻される制度です。1カ月ごとに算定され、低所得者が対象です。差額ベッド代や入院中の食事代、シーツ代などは含まれません。

後期高齢者

75歳以上の人。後期高齢者になると医療保険の仕組みが変わり、後期高齢者医療制度に自動的に移行されます。

後期高齢者医療制度

75歳以上の方を対象として、従来の健康保険から独立して作られた医療制度です。

口腔ケア

歯ブラシによる歯磨きやうがい、義歯の清掃や手入れなどで口腔内を清潔に保つためのケアです。虫歯や歯周病を防ぐだけでなく細菌感染予防にも効果があります。最近では口腔機能のリハビリや頬のマッサージなども口腔ケアに含まれるようになりました。いずれもQOLの向上や疾患予防に役立ちます。

高次脳機能障害

記憶、思考、行動、言語、認知、意識などの障害のことです。交通事故や脳血管疾患などにより脳が損傷した時に起こります。

後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)

脊椎の靱帯が骨化したため脊柱管が狭くなり、脊髄や神経を圧迫してしまう病気です。特定疾患治療研究対象疾患の一つで、2号被保険者(40-64歳)がこの病気にかかった場合は介護保険法の対象となります。

拘縮(こうしゅく)

寝たきりや関節を動かさないことが原因で、関節周囲の柔らかい組織が固まって硬くなり動きが悪くなることです。本人は痛みが出て辛くなり、介護もしにくくなります。

高齢者総合相談センター

通称「シルバー110番」と呼ばれます。高齢者とその家族が抱える心配や悩みに対応し、電話や面接による相談と、介護に関わる各種情報提供を行っています。各都道府県に1ヵ所ずつ設置されており、「♯8080(ハレバレ)」で地域の高齢者総合センターにつながります。相談は無料です。

誤嚥

嚥下(飲み込み)の際に、誤って水や食べ物などを気管内に飲み込んでしまうことです。

誤嚥性肺炎

唾液や胃液に混じって細菌が肺に入ることによって発生する肺炎です。 高齢による嚥下機能の低下で異物が気管に入りやすくなり、合わせて細菌も体内に入り肺炎を引き起こします。

骨粗しょう症(こつそしょうしょう)

骨密度が低下し、わずかな衝撃で骨折したり骨の変形が起こりやすくなる病気です。カルシウム不足や、老化による骨をつくるためのホルモン不足などが原因です。

サ行

サービス計画費(居宅介護支援)

居宅介護サービス計画・居宅支援サービス計画費の総称です。要介護者や要支援者が、居宅介護支援事業者から居宅介護支援(居宅介護サービス計画(ケアプラン)作成、サービス提供事業者との連絡調整など)を受けた場合、利用者本人は無料です。

サービス担当者会議(ケアカンファレンス)

ケアマネージャーが開催を義務付けられている会議です。ケアプラン作成時やサービスの追加や変更の時に、担当ケアマネージャーを中心として、介護サービスを提供する事業者や担当者(ホームヘルパーやデイサービス担当者など)、本人や家族、医師(かかりつけ医)などが集まり、適切なサービスを検討します。

 

タ行

ターミナルケア

終末期の医療・看護・介護のことで、主に痛みの緩和などを中心に行われるケアのことです。

余命わずかと診断された患者に対し、延命を行わず、身体的、精神的苦痛を極力減らす看護や介護を実践することで穏やかな最期を迎えられるようにすることを目指すもの。終末介護、末期医療、終末医療、終末期看護ともいう。

 

介護用語集