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「認知症は今を生きている」

ホームで暮らし始めて3カ月の母を見ながら感じたことです。

 

家に居たときよりも穏やかでにこやかに過ごす母。周りの方に優しくしてもらい、母自身も優しい気持ちで日々を送っています。

 

母の認知症は短期記憶が難しいタイプ。今話したことも、さっき起こったことも忘れてしまいます。私が会いに行ったことも忘れちゃうかもしれません。

時間の感覚が無いので、朝と夕を間違えることもあるし、今が何月なのか、季節すらわからなくなります。桜が咲いていることはわかっても、だから春、というようには繋がりません。

 

うらやましい。

見習いたい。

 

そんな風に思えたので書き留めておこうと思いました。

 

過去を憂いて落ち込むこともなく、未来を心配して不安になることもない。

今を、まさに今この時を楽しみ味わっている。

悟りを開いたかのように見えてきました。

 

私はといういと、

あの時こうしてあげればよかったとか

もっとこうすればよかったとか

これからどうなるんだろうとか

私に万一のことがあったら・・とか

色んな思いに縛られていて今目の前のハッピーを十分に味わえていない気がしてきました。

 

だから認知症になりたいと言っているのではありません。

 

認知症の母は「可哀想」ではないのだ、ということです。